相続の手続

遺言書作成の必須知識6選・皆が納得円満の相続を実現させる方法とは

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相続が開始した際、トラブルになりがちなのは、少々ワケアリなときです。

よく耳にするキーワードとしては、「長男の嫁」、「内縁の妻」、「家業としての会社経営」などがあり、近年は「LGBT」のケースも増えました。

  • 義父さんに実の娘のように可愛がられたお嫁さん
  • 戸籍上の夫婦ではないけれど、助け合って生きてきたパートナー
  • 兄弟姉妹の中で自分だけが父親と仲良くて、事業を継いだ二代目経営者

このような場合、皆の意見が一致しているにもかかわらず、遺産が全く違った所に流れてしまうことがあります。

今回は、理想的な相続を実現させるための最も一般的な方法である「遺言」について、相続問題専門の司法書士が解説いたします。

被相続人(亡くなった方)の意思を実現させるためには、遺産をもらう方からのアプローチも重要です。遺産をもらう方が相続を語ることは、「いやらしい」どころか、「大切なこと」なのです。

この記事を読めば、関係者全員の意思共有ができているケースにおける、最善の遺言書の作り方が分かります。

1 遺言について知っておきたいこと

今回の記事は、①被相続人 ②遺産を承継する者 ③法定の相続人 の三者の意思共有があることが大前提です。その上で、理想の遺産承継を実現させるために、現在最も一般的な方法は遺言です。

法律用語としては、「いごん」と読みますが、一般的には「ゆいごん」ですよね。本来は法律の世界にあった遺言というものが、それほど一般社会の中に溶け込んでいる証拠です。

1-1 遺言の「内容」と「方式」とは

遺言の「内容」は、何を書いても問題ありません。何か余計な事を書いたがために、その遺言が無効になることはありません。

一方、遺言に書いたすべての内容が法的効力を持つわけでもありません。考えてみてください。遺言に書けば何でも法的に拘束できるとしたら、世の中、恐いことになります。

今回の記事は相続と遺贈(遺言による贈与)がテーマです。相続と遺贈を内容とする遺言は、ほとんどが法的効力を生じますので、遺言の「内容」についてはこれくらいの理解で十分です。

次に、遺言の「方式」の話に入って行きましょう。

1-2 「普通の方式」と「特別の方式」

遺言にはこのような種類があります。今回はこの中の普通の方式を紹介していきます。

ちなみに特別の方式とは、乗った船が沈没しそうになっている場合とか、伝染病にかかって隔離されている場合にどうするかなどレアケースの話です。

 

遺言書の形式

1-3 遺言の方式には厳格なルールがある

法律用語で「要式行為」というのですが、2-1のいずれの種類の遺言も方式が厳格に定められており、それが守られないと効力が生じません。例えば、録音や録画による遺言は無効ですが、これも方式の縛りによるものです。

以下は、それぞれの方式の要点です。なお、自分1人で遺言をすることができるのは、原則として15歳になった時からです。

1-4 自筆証書遺言

いつでもどこでもできる遺言です。全文・日付・氏名を自筆すること、さらに捺印も要求されます。ワープロや代筆は認められません。加筆訂正部分にも署名と捺印が必要で、法律文書の中ではかなり特殊です。

自筆証書遺言はそれほど偽造や改ざんがされやすいということで、封印してあるなら家庭裁判所において相続人立会のもとで開封し、検認という手続も経なければなりません。

検認しなかったからといって、それだけで遺言が無効になるわけではありません。しかし、遺言に基づく相続登記の申請や預貯金の解約には、検認済証明書が不可欠です。

また、どの財産を、どのように承継させるのかが明確でないと不都合が生じるので要注意。例えば次のようなものです。

例:私の自宅は妻に相続させる
→「自宅」では不動産の特定が不十分です。なお、不動産は住居表示(いわゆる住所)ではなく、地番や家屋番号で特定します。

例:私の財産は全て妻に任せる
→「任せる」では、相続させるということなのか、遺産分割協議の指揮をとらせるということなのか分かりません。

ただし、上記の例はかなり単純な部類です。財産の分け方や、それについての言葉の使い方によって、相続開始後に予想外の手間と費用がかかってしまうこともあります。

自筆証書遺言を作るに当たって、「少し複雑かもしれないな」と感じたら、司法書士などの専門職に相談することをおすすめいたします

遺言書

この程度の体裁でも、方式さえ整っていれば遺言は有効です

1-5 公正証書遺言

公証人(多くは裁判官や検察官などの経験者)1人と証人2人の立会のもとでする遺言です。証人は未成年者以外なら誰でもよいのですが、さすがに相続人になるであろう人やその遺言によって遺贈を受ける人などはNGです。

公正証書遺は、遺言書を作る段階で戸籍・印鑑証明書・登記事項証明書などの書類を集めなければなりません。しかし、方式と内容についてはまちがいのない遺言書ができ上りますから、家庭裁判所での検認は不要ですし、自筆証書遺言を選んだ場合にありえる予想外の手間と費用を避けることできます。

さらに、偽造の予防にもなりますし、原本が公証役場に保管されるので(原則20年間)、紛失や焼失の心配もありません。遺言の有無について全国どこの公証役場からでも検索をかけることもできます。

司法書士などの専門職を介在させなくても、かなり細部まで面倒をみてくれる公証役場もあるようです(正直なところ、公証人と依頼者との相性の問題もあります)。公証役場への相談は無料ですから、まずは公証役場へ問い合わせてみるのも良いでしょう。

さて、気になる公証人手数料ですが、以下の通りです。
http://www.koshonin.gr.jp/business/b01/
Q.公正証書遺言を作成する場合の手数料は、どれくらいかかるのですか? の部分です。

誤解しやすのは、「①財産の相続又は遺贈を受ける人ごとに財産の価額を算出し…」という部分でしょう。例えば、長男に1000万円相当、次男に500万円相当の遺産を相続させるという公正証書遺言を作成する場合、公証人手数料はいくらでしょうか?

正解は17,000円(長男分)+11,000円(次男分)+11,000円(遺言加算)=39,000円です。「目的財産の価額」は合計1500万円相当だから23,000+11,000円(遺言加算)=34,000円となるのではありません。

さらに、証人2人が無償で引き受けてくれるとは限らないので、その場合は謝礼も必要になります。

ただし、安く済ませようとして自筆証書遺言をしても検認に手間と費用がかかりますし、その他のリスクまで考えると、結局は公正証書遺言が正解だったりもします。

今回の原稿の趣旨は、①被相続人 ②遺産を承継する者 ③法定の相続人 の三者が共有した意思を、確実に実現することにあります。遺言の有無や内容を秘密にしておく必要もありません。できることなら、公正証書遺言をおすすめいたします。

八王子公証役場

八王子公証役場はJR八王子駅北口、京王八王子駅から徒歩5分

1-6 秘密証書遺言

すでに蛇足になってしまったかもしれませんが、秘密証書遺言という方式もあります。公正証書遺言と同じく公証人1人と証人2人の立会のもとでするものですが、公証人も内容を確認できない点が大きな違いです。

被相続人が厳重にプライバシーを守りたい場合に使う方式なので、そもそも今回の記事の趣旨からは外れます。

2 遺言を残すべき5つのケースとは

冒頭部分でも簡単に触れましたが、遺言が効果を発揮する典型例をご紹介いたします。たった1枚の遺言書があるかないかで、全く違った展開になりかねないケースばかりです。

2-1 相続人以外の者が、被相続人にとって特別の存在だ

例えば、長男の嫁・内縁の妻・子が生存中である場合の孫、さらにはLGBTのパートナーなどです。

被相続人の生前にどれほど特別な関係にあったとしても、上記の方には相続をする権利がありません。納得の遺産承継を実現するためには、遺言書を書く・書いてもらうことが有効な手段の1つとなるのです。

この場合、あくまでも「相続」ではなく「遺贈」による権利変動になりますが、結果だけ見れば両者に違いはありません(ただし、遺産の中に不動産が含まれており登記をする場合は、申請の方式と登録免許税に違いが生じるのですが、こちらは別の機会に譲りたいと思います)。

2-2 夫婦の間に子供がいない

例えば夫が先に亡くなった場合、妻だけが法定の相続人になるのではありません。夫の親もしくは夫の兄弟姉妹と遺産を分け合うことになります。もしも、その夫の兄弟姉妹がすでに亡くなっていたならば、その子である甥・姪も法定の相続人となります。

特に、夫の兄弟姉妹や甥・姪とは疎遠になっている方も少なくないでしょう。しかし、遺言書がないのなら、夫の兄弟姉妹や甥・姪と遺産分割協議を成立させない限り、夫名義の預貯金は1円たりともおろせません。

夫婦間で、「お互いの財産はお互いに相続したい」との意思を共有しているなら、お互いを遺産の承継者とする遺言書を必ず書いておきましょう。

2-3 相続人の中に連絡が取れない者がいる 

遺言がなければ、多くの場合、法定相続分に基づいて遺産分割協議をするのでしょうが、これが非常に面倒なことになります。

まず、連絡先の調査に相当な労力を要するでしょう。それでも連絡先が分からなければ、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、その不在者財産管理人に遺産分割協議に参加してもらわなければなりません。

連絡が取れない者以外の方の意思が共有されていたとしても、上記に変わりはないのです。遺言書さえあれば、連絡が取れない者の関与は不要になるのですが…。

2-4 相続人が全くいない

一定の手続を経た後、遺産は特別縁故者(亡くなった方と特別の関係にあったと申し出て、家庭裁判所に認められた者)もしくは国が承継することとなります。平たくいうと、一方通行の遺産承継になってしまいます。

もしも、「福祉関係の団体に寄付したい」とか、「寺に永代供養をお願いしたい」などとお考えであり、財産の受け入れ先もそれを良しとするのであれば、その共有意思を遺言書にしておくのが最善の方法です。

また、残されたペットの世話をすることを条件に、一定の財産を承継させるという内容の遺言書もありえます。「負担付遺贈」と呼ばれるケースで、こちらも財産を残す者と受取る者の意思の共有が前提となります。

2-5 兄弟姉妹の中で自分だけが事業を継いだ二代目経営者

事業主が亡くなった際も、不要なトラブルを招きかねません。事業主が機械器具や株式のほとんどを所有していたというケースも少なくないでしょう。それらは当然、相続の対象となります。

もしも数人の子供の中で、ある方だけが親(事業主)の右腕となって事業経営に携わっていたとしても、子供達の法定相続分はあくまで均等です。相続でもめたなら、事業はいわれのないダメージを被るでしょう。事業主の生前に、皆で意思を共有し、遺言書を書いておく・書いてもらうべきではないでしょうか。

注:遺言を残しておくべきケースとして、「子供のきょうだい仲が良くない」、「先妻との間に子供がいる」という場合などもありますが、これは①被相続人 ②遺産を承継する者 ③法定の相続人 の三者の意思共有が考えにくいと思われるため、今回の記事では取り上げておりません。

3 遺言についての必須知識6選

この章では、遺言についてのよくある疑問や実践的なポイントをまとめてみました。「確かに」とか「なるほど」と感じていただけると思います。

3-1 遺言はなかったことにできる

遺言をした後で事情や心境に変化が生じることもあるでしょう。そのような場合、遺言は何度でも撤回や変更ができます。遺言をする際、気負う必要はありません。皆で意思を共有しながら、最終的に皆が納得できるものになっていけばよいのです。

遺言の撤回・変更は、原則として、もう1度遺言書を作ることによって行います。つまり、前の遺言と後の遺言が抵触する部分が、後の遺言によって撤回されたことになるのですが、この際、遺言の方式による優先劣後はありません。もちろん、公証証書遺言を自筆証書遺言で覆すことも可能です。

また、遺言をした方が生前に遺言と抵触する行為をした場合も、遺言は撤回されたことになります。

3-2 遺言もメンテナンスが欠かせない

遺言書は数年に1度はメンテナンスをすることをおすすめします。これは上記3-1と大いに関係があります。

まず、財産が変化するケース。例えば、遺言書に財産として預貯金口座を記載した後に、そのお金で不動産や投資信託などを買った場合です。遺言書を書き換えておかないと、せっかくの不動産や投資信託については遺言の効力が生じません。

次に、相続人が変化するケース。「子供に相続させる」と遺言をしたのに、その子供の方が先に亡くなってしまうこともあるでしょう。この場合、子供に残すはずだった財産は、法定相続によって承継されることになります。ですから、皆が「子供の次は孫に財産を承継させたい」と考えているなら、すぐに遺言書を書き換える必要があります。

なお、この万が一を防ぐために、「予備的遺言」と呼ばれる書き方で対処することもできます。「長男Aが先に亡くなった場合は、長男の子Bに遺贈する」と書き添えておけばよいのです。

3-3 公証役場に行けなくても公正証書遺言は作れる

公証人は出張サービスもしてくれます。なので、入院中などで公証役場へ足を運べなくても、公正証書遺言を作ることは可能です(公証人手数料は割増になります)。

また、署名をすることができなくても、公証人が代筆することが認められていますし、口がきけなかったり耳が聞こえなかったりしても、公正証書遺言の場合には、代替手段が用意されています。

ただし、公正証書遺言を作成したからといっても、それで遺言をした方の真意に基づくものかどうかまでは保証されません。上記1-5で、「公正証書遺言なら方式や内容についてはまちがいのない遺言書ができ上る」と述べましたが、それとこれとは別問題なのです。

後から、「遺言をした当時には重度の認知症であったはず」などと言い出す者がいて、訴訟で公正証書遺言が無効となることさえあります。もちろん、今回の記事の趣旨からは外れる余談ですが…。

3-4 遺言書はどこに保管すべきか

公証証書遺言ならば、原本が公証役場に保管されます。遺言書の存在が明らかだとしても、本人以外の者の要求により、その内容が明かされることはありません。

問題となるのは自筆証書遺言です。誰にでも分かる場所では危険が伴いますし、誰にも分からない場所では意味がなくなってしまいます。仏壇の中、自宅の金庫の中…。なかなか悩ましいところです。

考えられるのは、信頼できる人にだけ保管場所を伝えておく、もしくは、信頼できる人に遺言書自体を預ける、という2つの方法です。後者であれば、職務上守秘義務がある司法書士などの専門職に預けるのもよいでしょう。

さて、銀行の貸金庫はどうでしょうか。「借主が亡くなった後に貸金庫を開けるには相続人全員の同意が必要なので、遺言書の発見が遅れトラブルにつながりやすいです」とアドバイスさせていただくところですが、今回の記事の趣旨からすれば、銀行の貸金庫も選択肢の1つだとは思います。

3-5 遺言執行者を指定しておこう

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現する人のことです。特に、金融機関での相続手続と「遺贈」による不動産の名義変更手続(上記2-1参照)の際に活躍します。

この際、遺言書で指定された遺言執行者がいないと、相続人全員が手続に絡まなくてはなりません。相続開始後に遺言執行者を決めることもできますが、その場合は家庭裁判所のお世話にならなくてはなりません。

いずれにせよ、すでに皆が納得しているのに(繰り返しになりますが、今回の記事に限っての話です)、余計な手間がかかるのです。

未成年者と破産者以外なら誰でも遺言執行者になれます。財産を承継する方本人でもかまいませんし、遺言書の作成に関与した司法書士などの専門職にするのもよいでしょう。遺言執行者に指定した方に遺言書を保管してもらうこともできるので、上記3-4の問題も解決です。

3-6 付言事項を書き添えよう

上記1-1で述べましたが、何か余計な事を書いたがために、その遺言が無効になることはありません。むしろ、皆の意思共有をより確実にするような一筆を加えることをおすすめいたします。これを付言事項といいます。

付言事項以外の部分が被相続人の「希望」だとするなら、付言事項は被相続人の「思い」です。

人の「思い」には、口頭伝達向きのものと文章伝達向きのものがありますよね。遺言書作成は、文書伝達のメリットを最大限に活かせる機会だと、前向きにとらえましょう。

あくまで感覚的なものですが、遺言書に気の利いた付言事項が添えられていると、ご依頼いただいた遺産承継の実務はスムーズに進むような気がしてなりません。

4 相続で正当な権利を確保するための、その他の制度

遺言については、ここまでで一通り説明いたしました。

人が亡くなれば、相続が開始します。その際、誰も何もしなければ(遺言書もなければ)、遺産は法定相続分(民法で定められた各相続人の取り分)の通りに承継されます。

これを修正して遺産承継が然るべきものとなるように、民法は遺言の他にも様々な制度を用意しています。それらを見渡してみましょう。

4-1 遺留分(いりゅうぶん)

「相続人にとって遺産は生活保障の側面もあるのだから、一定の範囲は保証しましょう」という趣旨の制度です。

遺言、つまり被相続人の意思にも優先するほどガチガチで、相続開始前においては、この権利を自ら放棄するのにも裁判所の許可が必要なほどです。

なお、上記の制度趣旨などからして、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。

4-2 生前贈与

節税対策というイメージが強いものの、相続対策としても有効な方法です。被相続人の生前に完全に権利を渡してしまうのですから、権利の「確保」という点では、最も確実な方法です。ただし、贈与税など税金面も含めて綿密にスキームを組む必要があります。

また、自分が死んだ後に残される配偶者のことを考えて配偶者に生前贈与したら、その配偶者の方が先に亡くなってしまい、財産は配偶者の兄弟姉妹に流れた、という悪い冗談のようなケースもあります。

4-3 養子縁組

かなり馴染みがある制度でしょう。相続に関して、実の親子とほぼ同じ扱いになります。

例えば、嫁を迎える時のしきたりとして、「この嫁も自分の子供になるのだから、嫁独自の財産を残してやりたい」という意味合いで、婚姻と同時に縁組をする家もあります。ここまでするのはかなりの資産家で、相続税対策の一面もあるでしょうが…。

4-4 家族信託(かぞくしんたく)

平成18年の信託法大改正後、最近ではマスコミでの露出も増え、注目の制度です。契約などにより財産の行方を決めるので、現代社会特有の要求に応えることができます。

相続開始前でも財産についての権利を動かせること、複数回の相続についても対応できることなどが遺言との大きな違いです。

現時点では専門家の介在が必須で、手間と費用がかかることがデメリットです。

4-5 特別受益(とくべつじゅえき)

「生前の被相続人から、すでに遺産の前渡しをされている人は、相続に際しては少し遠慮してください」という趣旨の制度です。誤解を恐れずにいうなら、他者を沈めて自分が浮上しようとする方法です。

ただし、特別受益の対象となるのは生前贈与と遺贈の場合だけで、また、生前贈与や遺贈を受けた者が法定の相続人でないと、この制度は使えません。

4-6 寄与分(きよぶん)

「生前の被相続人に特別の貢献してきた人には、遺産の取り分を増やしてあげましょう」という趣旨の制度です。いわば、自分から積極的に主張する方法ですが、実際にはなかなか認定されにくい。例えば、親子の間にはもともと法律上の扶養義務がありますから、老後の親の面倒を見ていただけでは、特別の貢献をしたことにはなりにくいのです。

法定の相続人にしか適用されない点は特別受益と同じです。しかし、家庭裁判所が最終的な処分を下す場合がある点においては特別受益と異なります。

4-7 相続欠格(そうぞくけっかく)、廃除(はいじょ)

「被相続人などに対して良からぬことをした相続人から、遺産をもらう権利を取り上げる」という趣旨の制度です。いずれも良からぬことをした人が存在するわけですから、今回の記事にはそぐいません。

5 まとめ

遺言というと、被相続人が「書く」ものというイメージが強いかもしれません。しかし今回は、被相続人に「書いてもらう」ものという角度からも遺言をご紹介しました。

関係者全員が納得済みであっても、遺言書1枚があるかないかによって手間や費用に大きな差が出る場合があります。

理想の遺産承継を実現させるために、まずは皆で話し合うことから始めましょう。今回の記事がそのきっかけになればと願っています。

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